Fukushima's dynamics estimation

目次

修正履歴 _

2017/08/29

  • DMRI解析方法をVBMEG2.0内のドキュメントを参照するように修正した。

2015/10/14

  • 留意事項を追加(ダイナミクス推定で使用される信頼度パラメータは、初期値推定のものが継承される)
  • ダイナミクス推定パラメータ(dbayes_parm.meg_file)の説明を追加(機能はVBMEG-Rev1632で追加)

2015/09/14 『初期値の推定を行う』の必要条件に、bayes_parm.area_key='dmri_area', reduce=1を追加。

ダイナミクス推定 _

概要 _

従来のVBMEGは、fMRIデータを事前知識として用い、MEG/EEGの逆問題を階層ベイズ推定により解くものであった。ダイナミクス推定は、従来法に加え、拡散強調MRI画像から抽出した解剖学的結合情報を追加し、より高い精度で逆問題を解く新しいアプローチである。解剖構造モデルを作成する作業がStep1.DMRIデータ解析に相当し、その情報を利用して推定を行う作業がStep2.ダイナミクス推定である。

Step1.Diffusion MRIデータ解析 _

解析データとして、

  • T1-頭部MRI画像(DICOM形式)
  • 拡散強調MRI画像(DICOM形式)

を用意する。

/home/cbi-data5/DTI(解析データディレクトリ)
 |
 |-- 3D(T1-頭部MRI画像)
 |  |-- 1.3.12.2.1107.5.2.32.35283.2013103111331835928852729.dcm
 |  |-- …
 |  `-- 1.3.12.2.1107.5.2.32.35283.2013103111332097695253486.dcm
 |-- DTI(拡散強調MRI画像)
    |-- 1.3.12.2.1107.5.2.32.35283.2013103111343145978153889.dcm
    |-- …
    `-- 1.3.12.2.1107.5.2.32.35283.2013103111544383509802522.dcm

このデータをDiffusion MRI data processingの手順で解析する。

解析結果データファイル _

解析で得られたファイルの中から、以下のファイルをVBMEGのダイナミクス推定プログラムの入力として使用する。

ファイル種別 出力ファイル
皮質モデルファイル(.brain.mat) 解析結果出力ディレクトリ/Subject/Subject.brain.mat
皮質領域ファイル(.area.mat) 解析結果出力ディレクトリ/Subject/Subject.area.mat
皮質活動ファイル(.act.mat) 解析結果出力ディレクトリ/Subject/Subject.act.mat
Diffusion MRIファイル(.dmri.mat) 解析結果出力ディレクトリ/connectivity/connectivity.dmri.mat

Step2.ダイナミクス推定 _

通常のVBMEGの階層ベイズ推定で初期値を算出し、その初期値を元にダイナミクス推定を行う。

準備 _

  • ダイナミクス推定に必要なファイル
    • VBMEGの通常の階層ベイズ推定に必要なファイル
    • Diffusion MRI file(.dmri.mat)
  • 作業概要
  1. 拡散強調MRI画像の解析を行い、Diffusion MRI file(.dmri.mat)とVBMEG皮質モデルファイル群(.brain.mat, .area.mat, .act.mat)を作成する
  2. VBMEGの標準解析ステップ(VBMEG users manual)に従い、Leadfield行列の計算まで進める。ただし、VBMEG皮質モデルはDiffusion MRIファイルの解析時に作成されるものを用いる(皮質モデルのインポートステップは省略する)。

ダイナミクス推定手順 _

以下の推定は、MATLAB上で行う。

初期値の推定を行う _

初期値推定の方法に関してはまだ研究の余地がある。ここでは福嶋さんオススメの初期値の算出方法を紹介する。

  1. 皮質領域ファイルに、DiffusionMRIデータ解析で得られた領域を保存する
    • area_file:皮質領域ファイル(.area.mat)
    • dmri_file:DiffusionMRIデータ解析結果ファイル(.dmri.mat)
    • dmri_area:キー名。任意の文字列

    vb_areafile_add_dmri_area(area_file, dmri_file, 'dmri_area');

  2. VBMEGの通常のベイズ推定のパラメータを作る

    パラメータの作成はGUIを使用すると比較的簡単に行える。ファイルを指定後、画面下のSaveボタンよりファイル保存を行うと、bayes_parmを含むファイルを保存することが出来る。 詳しくは(current_variance_estimation)を参照。

    [必要条件]
    bayes_parm.Tperiod = bayes_parm.twin_meg(2) - bayes_parm.twin_meg(1) + 1
    bayes_parm.Tnext = bayes_parm.Tperiod
    (以上の設定は,時間窓は一つのみ,という意味)
    bayes_parm.area_key = 'dmri_area';
    bayes_parm.reduce = 1;
    bayes_parm.twin_global = bayes_parm.twin_noise
    bayes_parm.basisfile_global = bayes_parm.basisfile
    bayes_parm.area_key_global = bayes_parm.area_key
    bayes_parm.Rfilt_global = bayes_parm.Rfilt
    bayes_parm.reduce_global = bayes_parm.reduce
    bayes_parm.patch_norm = OFF
    bayes_parm.trial_average = ON
    bayes_parm.temporal_filter = OFF
    bayes_parm.expand_spatial_filter = ON
    bayes_parm.variance_orientation = OFF
    bayes_parm.soft_mode = 0
    bayes_parm.forward_model = 'focal'

    [推奨条件]
    bayes_parm.noise_estimation_model = 1
    bayes_parm.noise_model = 3
    bayes_parm.twin_noise = [1, (bayes_parm.twin_meg(1) - 1)]

    また,vbmeg_ard_estimate25.mの直前で満たすべきvb_parmの条件は
    以下の通りです(一部はbayes_parmの設定から自動的に定まります).

    [必要条件]
    vb_parm.Norient = 1
    vb_parm.Norient_var = 1
    vb_parm.Nsession = 1
    vb_parm.Norient_all = 1
    vb_parm.Ntrials = 1
    vb_parm.Nwindow = 1
    vb_parm.soft_mode = 0

    [推奨条件]
    vb_parm.update_sx = 1

  3. ベイズ推定を行い初期値を算出する(出力ファイル:VBMEG階層ベイズファイル(.bayes.mat))

    vb_job_vb(proj_root, bayes_parm);

ダイナミクス推定を行う _

$VBMEG/template/vb_set_dbayes_parm_test.mの内容を参考にファイル名をセットする。

パラメータ 設定値 備考
dbayes_parm.bayes_file ベイズ推定ファイル名(.bayes.mat) proj_rootからの相対パス。初期値を含む階層ベイズ推定ファイル(.bayes.mat)
dbayes_parm.dmri_file DiffusionMRI解析結果ファイル名(.dmri.mat) 絶対パス
dbayes_parm.dbayes_file ダイナミクス推定結果出力ファイル名(.dbayes.mat) proj_rootからの相対パス
dbayes_parm.meg_file (Optional)ダイナミクス推定に使用するMEGファイル。指定しない場合は、初期値推定に使用したMEGファイルについてダイナミクス推定が行われる。(VBMEG Rev:1632で追加) proj_rootからの相対パス

Hyperparameters for the variance parameter of the MAR coefficients

パラメータ デフォルト設定値 備考
dbayes_parm.ieta0 1e-2
dbayes_parm.g0 1e2
dbayes_parm.Ntrain 500

準備が出来たら、以下のようにしてダイナミクス推定を実行する

vb_job_vb_dynamics(proj_root, dbayes_parm);

留意事項 _
  • 信頼度パラメータ(a0,a0_act,Ta0,Ta0_act)は、初期値推定で使用したパラメータが、ダイナミクス推定でも使用される。

Step3.電流時系列を取り出す _

ダイナミクス推定で得られた電流時系列を取り出す _

$VBMEG/template/vb_set_current_parm_dynamics_test.mの内容を参考にファイル名をセットする。

パラメータ 設定値 備考
current_parm.dbayes_file ダイナミクス推定結果ファイル名(.dbayes.mat) proj_rootからの相対パス
current_parm.curr_file 推定電流時系列ファイル名(.curr.mat) proj_rootからの相対パス
current_parm.trial_average ON

準備が出来たら、以下のようにして、電流時系列取り出し関数を実行する

vb_job_current_dynamics(proj_root, current_parm);

※得られた電流時系列を確認するには、job_plot_current_map.mを使う。

ダイナミクス推定関数が存在しない場合は _

  1. ダイナミクス推定関数は、VBMEGのSubversionリポジトリに2015/9/4にアップロードされました(Revision.1630)。関数が存在しない場合は、最新版をここから取得して下さい。

関連プロジェクト _

ドキュメント _